音がめぐる日


「STARS ON」というイベントに行ってきた。
出演者はこんな感じ。
東京カランコロン
cero
トクマルシューゴ
・ハンバート ハンバート
スチャダラパー
・SAKE ROCK
・ZAZEN BOYS
toe
DJ
・DJ ごはん
・K.U.D.O

美星町というところに中世の町を再現した「中世夢が原」という施設があり、そこのステージが会場。のんきな場所だった。

スタッフも見に来ている人たちもなんだかのんびり。
臨時駐車場からのシャトルバスに乗るのに、順番を譲り合う人々とか。いい感じです。

地元のオサレカフェや食べ物さんがフードブースに出店していた。
そして、そこから少し離れたところではで地元のおじさんがアイスクリームと
焼き芋とペットボトルのコーラとお茶を売っていた。
コーラとお茶は500mlで100円だよ100円。自販機より安く売ってどうするんだよおじさん!!

昼下がりにわりと日差しがきつく、ちょっとしんどいなあ、と思っていたところ、
少し離れたところに芝生の広場を発見。
そこに移動し、しばしお休み。
そこでは縄跳びやコマ回しや弓矢などなど、遊び道具が置いてあって、みんな自由に遊んでいる。
わたしたちも遊んだり休んだりとだらだらと過ごす。

遠くから音は聞こえてきて、でも近くで鳴いている虫の声も聞こえてきて、
芝生の上で寝転がって寒くも暑くもない。風もあまりない。
極楽極楽。

で、肝心の音楽の話。

ライブでは初めて見るミュージシャンばっかりだった。
CDとかを聴いて、勝手にこっちで想像しているのとは違ってたなあ。

東京カランコロンは意外と激しい音に牧歌的なボーカル。
ceroは理系の音。
トクマルシューゴは意外と力強い。
ハンバート ハンバートは素朴で元気で美しかった。

スチャダラパーはねえ。
見たかったさ。もちろん。
でもね。
「こんな岡山でもみなさんの食べるものとかに少しずつに放射能にやられてるわけですよ」
とか「かえせ!」というコール&レスポンスとかいるのかね?
岡山みたいなのんきな場所でそれを持ち込むのは勇気があるのかもしれんが、わたしは楽しくはなかった。

あれ以来、反原発脱原発という言葉が流行っている。
あえて「流行っている」という言い方をするよ。
ことは深刻だし。軽々しく口に出せることではないと思うんだよ。
なんか、ああいう場でいうことなのかな?そこに信念はあるのかな、と思った。

このフェスで使われている音楽だって何割かは原発で生み出されたものかもしれない。
お客さんの中には電力会社に勤めている人だっているかもしれない。
それに。フェスって楽しい場所であって、啓蒙活動の場所じゃないよ。
うーうーうーうーうー。
とかいろいろ考えてしまった。

SAKE ROCKは夕暮れ時に登場。
予想を超えるしっとり具合。クール。男前音楽。
ハマケンってブサ小さいお兄さんと思っていたけれど、
そしてSAKE ROCKはハマケンのイメージに引っ張られて勝手に想像していたけれど、かっこよかった。

ZAZEN BOYSは音圧がすげえ。
相方いわく「すんごい練習してそう」。
ああ。わかるわかる。あんな間の取り方、普通では無理。

そしてtoe
むー。わたしのtoeに対する認識は甘かった。
「星空の下で聴けたらすてき♪」とかじゃなかった。
あんなに内側に食い込んでくるような音楽は、重い。しんどい。
4人の行者が自分に与えられた苦行に向き合っているように見えたし聞こえた。

てな感じで。
久しぶりにいろんな音楽を生で聴いて、いろいろと考えた。
考えすぎだ。悪い癖だ。