砂漠に立つ

そういえば、手術した時のこと、最後まで書いてないな。
それにしても生きている。意外なくらい元気だ。

何年か前から、自分の先のことを考えた時に砂漠が思い浮かんでいた。
目の前に空を砂だけが広がっていた。
そして。つい最近、その砂漠に足を踏み出したような気がする。
砂漠にたどり着いてしまった。「目の前」ではなく、自分はもうすっかり空と砂に取り囲まれていた。

ここ最近、いろんなものをなくした。
わたしが手を離すと、消えていった。
いちばん大切だと思っていたものも。
自分がバカだったせいだな。

せめてまだそばにあるものは、守りきりたいと思う。
空と砂の中を歩いていく。